★ヨノイは多分英語好きで文学も嗜んでいる。
捕虜たちとも英語でコミュニケーションが取れている。
ローレンスは日本語を話せるのに、ローレンスに対しても英語で会話をする。
なぜか? 思うに、軍人としての職のために仕方なく英語を使っているのではなく、元々英語好きなのではないだろうか。
そうでなければ、わざわざ日本語を解する捕虜のローレンス相手にも英語で喋るはずがない。
(※坂本龍一が日本語より英語がうまく喋れるから……という理由はここではナシとする(笑))
更に、多分英文学をも知っている。
シェイクスピアを知っているのである。
彼はセリアズの軍律会議の時、To be or not to be, that is the question.(生きるか死ぬか、それが問題だ)と「ハムレット」の引用文を語る。
私も大学で英文学科だったのでシェイクスピアはやったが、彼も「ハムレット」を原文で読んでいるのである。
さては英文学専攻か?と思ったぐらいだが、彼はエリート将校である。
軍の士官学校出だと思われ、そこで外国語の科目はあっても文学を習うとは思えない。(旧日本軍の士官学校で英文学も科目にあったのかをご存知の方いらしたら教えてください。)
つまり、彼は元来欧米の文学に興味があったと思われる。
※原作ではヨノイ大尉の英語はそこまでうまくないので普段は通訳が付いている。
しかし、「わたし」が知る限りでは日本人将校で英語を喋るのはヨノイ大尉だけだった、と原作にも書いてある。
またシェイクスピアを知っていたという描写はないので、英文学好きなのは映画版だけの設定。
しかし、原作でもセリエのたましいの平安を祈って詩を読んでいるので、文学的嗜好の持ち主であることは事実だったようだ。