<原作>ヨノイ大尉の描写

原作によるヨノイ大尉の描写

恐らくわれわれの出会ったなかでは、最も貴公子的な日本人であっただろう。
禁欲的な僧侶を思わせる顔に、丸刈りで、鉤鼻。
頃合いに離れた両眼は日本人独特のもので、端がつり上がり気味だが、知的で人を捕えて離さない。
それに大抵の日本人より長身で、背すじがまっすぐ伸びている。
わたしの知る限りでは最も清潔好きの日本人将校で、軍服はいつも体にピッタリでしみひとつなく、長靴はピカピカに磨きあげてあった。
(「影の獄にて」思索社 190ページより)

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