作品が訴えているもの。人間愛、救い、そして許し。
人種や宗教を超え、敵味方であることを超え、性別をも超え、人と人は心を繋ぐことができるかと問う、壮大な人間愛を描いている。
4人の主要人物のうちローレンスしか生き残らないわけだが(原作ではヨノイ大尉も生きている)、余韻の中にいつまでも「救われた」という温かい気持ちが残る。
この作品は観る者にも「救いがあって良かった」と思わせ、人間としての「善」の部分を突き動かす何かを秘めている。
私たち人間は人種の違い、宗教の違い、精神的な考え方の違い、もちろん文化や言語の違い……さまざまな違いを持ってはいるが、本来お互いを理解しあい、許し合えることを、まざまざと思い知らされる。
収容所というひとつの箱の中に日本人と捕虜たちを投げ込み、混ぜ込んだ結果どうなるのか、というドラマと人間模様を映画作品としてよくまとめている。